コミュニティー施設「ほにほに柳沢」が2021グッドデザイン賞を受賞しました!
公共の建築・空間部門
担当審査委員 伊藤 香織 五十嵐 太郎 西村 浩 平賀 達也
概要
地域内のごみ処理組合から「何か地域に役立つものを」と資金提供を受け、住民で協議を重ねた結果建設された施設である。長期にわたる維持管理費用を太陽光の売電で賄うべく、発電に最適化した屋根の下に、主に朝市の場となるホール、厨房、公衆トイレ、井戸、資源ごみのストックヤードなどを備え、地域住民の多様な活動の場となっている。
審査委員の評価
日本においては、超人口減少・超高齢化という社会課題を抱える地域が増え、これまで作り上げてきた社会資本に「空き」が急増しており、もはやモノをつくれば街が良くなる時代は終わりました。この作品には、この変わりゆく時代における、応募者でありながら同時に設計者としての「悩み」が正直に現れていて、しかしながらこの「悩み」こそが、これから訪れる未だ経験したことのない社会状況に向かうための課題発見と解決を導くための新たな視点となると感じています。高齢化の進む400戸足らずの小さな地域の、小さな素朴な建築ですが、太陽光発電による売電や利用料収入によって自律的な運営を行い、設計者自身も運営組織の一員として、悩みながらも責任を持って関わっていることも、今後の公共施設や地域運営のモデルとして好感の持てる作品だと思います。